“回答候補をリアルタイムで提示し、
オペレーターの業務負荷を大きく削減”

三井住友信託銀行様の事例

三井住友信託銀行様
三井住友信託銀行株式会社では、確定拠出年金専用のコールセンターに「TRAINA FAQナレッジ」と「TRAINA VOICEダイジェスト」を導入し、お客様対応のスピードと正確性を向上させました。

年金制度の複雑化により、一件あたりの対応時間が増加

三井住友信託銀行株式会社(以下、三井住友信託銀行)の確定拠出年金専用コールセンターでは、入電時からオペレーターが対応するストレスフリーな対応(入電時に相談内容に応じた番号選択不要)と、ご相談からお手続きまで完結するシームレスな対応を特徴としております。そのため、お客様からの質問や要望を、最初からオペレーターが直接お伺いしています。確定拠出年金制度に精通したオペレーターが最後まで一人で対応し、相談の内容に応じて担当者を振り分けることは基本的にありません。一本の電話で相談から手続きまでスムーズに完結する仕組みは高く評価され、問い合わせ窓口の対応を評価するHDI格付けベンチマークでは、2019年以来、5年連続で最高の三つ星評価を獲得しています。

一方で、確定拠出年金は制度が複雑であり、オペレーターに要求される知識量は膨大です。相談の内容によっては、公的年金や受け取り時の税金に関する一般論などにも話が及ぶため、一件あたりの相談時間も長くなりがちです。

「TRAINA導入前の大きな悩みは、お客様一人あたりの通話時間が顕著に長くなっていることでした」と、確定拠出年金管理部 次長の 鈴木 基樹 様は語ります。「近年法律の改正もあり、確定拠出年金制度自体が非常に難しくなっています。説明しなくてはいけないことが増え、お客様にご理解いただくまでの時間も長くなっているのです」

一人のお客様に対応する時間が長引けば、オペレーターが1日に応対できるお客様の数が減り、電話の繋がりにくさに直結します。コールセンターとしては何としても避けたい状況です。その解決策を探る中で出会ったのが、TRAINAでした。

必要な情報にすぐにアクセスできるため、対応に必要な時間が低減

TRAINA導入以前は、それぞれのオペレーターが手元に資料を準備し、必要に応じてそれらを参照しながらお客様に応対していました。エクセルで作成されたリンク集もありましたが、法改正の頻度が多く、膨大で複雑な階層構造となり、長きにわたり利用し続けているベテラン以外には使いにくいものでした。そこで、これまで蓄積してきたナレッジを「TRAINA FAQナレッジ」に集約することにしたのです。

「TRAINA FAQナレッジ」に情報を集約することで、属人的な部分がなくなり、全てのオペレーターが正確な情報に素早くアクセスできるようになりました。お客様との会話の内容から、AIがリアルタイムで検索すべき発言を抽出するため、回答につながる情報をわざわざ検索ボックスに入力して検索する必要もありません。また、お客さま所属の会社情報に繋がるリンクをAIがリアルタイムでポップアップ表示するため、会社名を検索する必要もありません。

加入者サービス第三チームのチーム長、榎 利政 様は、導入の効果について次のように話してくださいました。「電話中に回答候補が表示され、そこからクリックで選ぶだけでお客様が必要としている情報を得られます。そのため、保留してスーパーバイザーに確認する必要が減りました。導入前後2ヵ月の統計では、保留回数が約1割減少し、保留時間も約5%減少しています」

オペレーター育成期間の短縮にも貢献

オペレーターの育成に関しても、TRAINAはその効果を発揮しています。運用相談に対応するためには、年金だけでなく、日々の市場の動向や税金など幅広い知識が必要です。そのため、研修内容は多岐にわたり、全てを終了するにはかなりの期間が必要ですが、TRAINAの導入により採用からデビューまでの時間を短縮することにも成功しました。

「FAQナレッジ導入後は、独り立ちまでの期間が短くなりました。分からないことがあっても自分でどんどん検索できるため、以前よりも早いペースで知識を身に付けていると実感しています」と話してくださったのは、加入者サービス第一チーム 主任 ライリー 由佳 様です。「以前はコピーした資料を渡したり、資料自体を探したりする無駄な時間がありましたが、今は全ての情報がFAQナレッジに収まっているので、これを利用しながら教えることができます。お客様との会話を再現させてキーワードを表示させ、実践に即した具体的な例で教えることもできるので、教える側と学ぶ側の良い関係ができていると感じます」

研修期間の短縮という観点では、3分の1程度の短縮が図れており、例えば、これまで6ヵ月必要だった第一段階の研修が4ヵ月程度で済んでいるとのことです。

「研修期間の短縮は、定着率の向上にも繋がっていると感じます。オペレーターの給与はスキルアップするごとに上がるのですが、以前より早くステップアップできるようになりました。以前は研修期間の長さがプレッシャーになっていたようなのですが、それがかなり軽減されたと思います」(鈴木様)

編集後記

コールセンターでの電話応対スタッフの負荷削減や業務効率化、生産性の向上は、多くの企業で取り組まれているテーマの一つとなっています。様々な分野で人手不足が顕在化している中、オペレーターの早期育成と業務負荷低減を両立させた三井住友信託銀行様の事例は参考になるかもしれません。

sawai

DCコール遠景写真

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