“お客様の声の活かす専門組織を設立し、
全社展開することで改善事例は年200件超”

パナソニックシステムネットワークス様の事例

パナソニック システムネットワークスは専門委員会を立ち上げて「お客様の声(VOC)」を積極的に製品・サービス改善に活かす。日次更新されるVOC分析結果のほか、改善事例等のコンテンツを充実させたポータルサイトを運営。
一方、改善事例にまつわる生のVOCを聞いて議論する「モニタリング研修」を全社員対象に実施。社員のVOCに対する意識を高めることに成功した。

お客様情報の活用(TRUE TELLERによる分析管理)お客様情報の活用(TRUE TELLERによる分析管理)

BtoB事業でもVOC活用が重要と判断

パナソニック AVCネットワーク社傘下で情報通信機を製造・販売するパナソニック システムネットワークス(以下、PSN)。国内シェア6割を誇る監視・防犯カメラをはじめ、IP電話機器、業務端末、ドキュメント機器、無線や放送、通信などのインフラシステムと製品は多岐にわたる(パナソニック内の情報通信関連子会社が再編され、2013 年3月に現在の新生PSNが誕生)。

当時、高木俊幸氏が12年6月にPSN社長に就任すると、同社では一躍、「お客様起点」がキーワードとなった。PC事業部門長などを歴任してきた高木氏は「お客様の声(Voice Of Customer: VOC)」を製品・サービスの改善に活かすことの大切さを知り尽くしていたのだ。それはBtoB事業中心のPSNでも変わらないと判断、トップダウンで社内に「VOC委員会」を立ち上げる。委員会のトップはCS担当役員が務め、各製品部門からメンバーが集った。コアメンバーは約40名、関連部署を含めて最大約80名の体制となった。

TRAINAをVOC活用の基盤へ

実はPSNでは以前からVOCを活かす仕組みがあった。マーケティングや営業、サポートの日々の活動で集められる膨大なVOCを分析するツールとして、野村総合研究所のテキストマイニング・システム「TRAINA」を2006年に導入していた。それ以来、同製品を活用するため、分析ロジックや辞書の整備を進めていた。これがVOC委員会が活動するための“基盤"となる。

VOC委員会事務局はまず、全社員にお客様起点の意識を根付かせるため、TRAINAのオプション機能である『顧客の声ポータル』を活用して全社向けに「VOCポータルサイト」を立ち上げた。自動的に各種データソース(導入時点で総データ数は約150万件以上)から収集したVOCを分析して結果を配信するという仕組みだ。VOCポータルへのユーザー登録は任意だったが、12年度でユーザー数、アクセス数とも月を追うごとに増え続け半年間で倍増した。それは日次更新される分析データが新鮮なことに加えて、ポータルのコンテンツが充実していたからだ。

全社共通のトップページは日次更新される電話・サービス対応データが日次更新されるほか、読み物として自社・他社の改善事例、委員会活動記録などがあり、さらにお客様から伝えらえたお礼の言葉「ありがとうコール」、逆にクレームの「おしかりコール」も“生の声”で掲載される。一方、製品部門ごとにカスタマイズされたメニューにより、ユーザーは自部門の製品に絞り込んだコンテンツを参照できる。配信させた分析結果を二次加工したり、一定のセキュリティ制約のもと元の生データにさかのぼったりできるのだ。また、部門の壁を越えて情報を共有するため他部門ページも閲覧可能だ。

TRAINAによるテキストマイニングは「リスク管理」にも活かしている。製品の欠陥など早急に対処すべき事象を表す考え得る限りの言葉を「リスクキーワード」として事前に設定。VOCデータを解析するTRAINAがそれらのキーワードを捕捉すると、該当する担当者に1日1回自動的にアラートメールを飛ばす仕掛けを講じているのだ。これにより、何よりお客様の声に含まれるリスクキーワードの見落としや主観による判断ミス、社内連絡のヌケモレがなくなり、リスクに対して迅速、確実に対処できるようになったことの意義は計り知れない。

社員に当事者意識持たせるモニタリング研修

PSNがVOC活用で特徴的なのは、全社員に受講を義務づけた「モニタリング研修」である。いわば、オンラインのポータルに対し、オフラインの取り組みといえる。1回8〜10名の少人数で行う研修は、講師がVOCにまつわる改善事例を解説し、受講者間でディスカッションを行うものだが、冒頭に実際の電話応対の録音を聞かせる。その多くは委員会事務局が「本質を突いている」と認めたクレーム(3カ月ごと更新)。まさに生の“おしかりの声”であり、受講者も当事者意識を持って研修に臨めるわけだ(個人情報保護には留意し、不適切な部分は音声を加工処理。セキュリティロックのかかった部屋で研修を実施)。

委員会事務局では研修参加者に対して受講の前と後でアンケートを行い、社員の意識の変化を調べているが、受講後、VOCへの理解度や活用意識、お客様起点の意識は必ず高まる傾向にあるという。(VOC活用意識:平均で3.4→ 4.4に向上(受講者1100人当時))モニタリング研修の啓蒙効果は高いといえるだろう。これがポータルへのユーザー登録、日常的なアクセスに拍車をかけた。

ツール導入から全社研修の3段階展開で効果大

PSNではVOC委員会設立以降、わずか1年でVOCを起点とした製品・サービス改善事例は200件を超えた。特に改善効果の高かった事例については、「気付きTOP10」として社内表彰もしている。例えば、このようなWebサイト改善の事例があった。

PSNサイト上では、ファクシミリなどドキュメント製品の消耗品を掲載しているが、従来は「アイテム数が膨大で見つけづらい」という声があった。そこで担当部門と委員会が改善策を協議。本体型番をプルダウンメニューから選ぶと関連サプライ品が自動表示されるユーザーインターフェースに変えた。その結果、サプライ品に関する問い合わせが激減した。つまり、サービスを改善することで結果的にCSを高めると共に業務負担を減らすことにも成功したわけだ。

PSNのVOC活用は、トップマネジメントの強い意志のもと、テキストマイニングツール導入からポータルの立ち上げ、研修による啓蒙活動と段階的に全社展開を図ってきたことが分かる。これが大きな成果を得ている要因である。

会社名 :
パナソニックシステムネットワークス(株)
発 足 :
2013年3月
資本金 :
3億5,000万(2014年3月末時点)
グループ従業員数 :
2万6,200人(2015年2月末時点)

※導入時の会社情報です

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